HPF2021

HPF2021(大阪府高校演劇祭)の観劇レポートのブログです。

枚方なぎさ高校を観劇して

7月27日(火)枚方なぎさ高校HPF公演「域地 -ikichi-」を観劇しました。桜塚高校です。

 

 会場に入るとまず、舞台上に散りばめられた装置に目がいきました。中央に吊り下げられた金色のテープや、中央がくり抜かれ、薄い布が掛けられた階段、袖から伸びるロープが印象的でした。

 

 役者の方々の演技が自然で、山の中で道に迷ったという非日常的な場面もとてもリアルに感じました。また、一人一人が自分の中に秘めたことに対して向き合うシーンでは「女3」を演じていた方の演じ分けがすごいと思いました。自殺をお母さんに止められる場面、子供に水をあげられずに探し回る場面、神様を疑ったことがないと嘘をつき、必死に祈りを捧げる場面、自分はただスリルを求めていただけで、死ぬのは嫌だという場面、自然と向き合い、人間は何かを奪わないと生きていけないという場面。どのシーンも追い詰められた状況を繊細に表現していて、その迫力に圧倒されました。

 

 袖から舞台を這うように出てくるスモークと舞台上に置かれた照明が組み合わさって、とても綺麗で幻想的な雰囲気を演出していました。

階段に開けられた穴に仕込まれた照明で紗幕布の奥が見えるようになったり、照明で水の存在を表現したり、テープで木を表現するアイデアは学ぶべきところがありました。

そのほかには音響に力を入れられていると思いました。場面ごとに丁寧にBGMが入れられていたり、雨や滝、雷など様々な音を組み合わせた演出が見ていて飽きることがありませんでした。

 

 バルコニーを使ったり、舞台も広く使っていて今後の参考にしたいと思えることが多い舞台でした。

 

 枚方なぎさ高校演劇部のみなさん、本当にお疲れ様でした。

 

 

桜塚高校 観劇レポート担当 野田 駿太(3年)・鎌田 大雅(1年)